2015年6月2日火曜日

創業時はお金がない方が良い? 〜 『公益資本主義』アントレプレナー・イニシアチブ決起集会 という会に行ってきた。

ザ・意識高い系なイベント、『公益資本主義』アントレプレナー・イニシアチブ決起集会 に行ってきました。なんと参加費無料!

どんな会かというと、今年の10月に『公益資本主義』を広めるための組織を立ち上げるそうで、その決起集会ということです。

時間割は、以下の様なもの。

10:00- 受付開始
10:30- 入場開始
11:00-11:05 開会
11:05-11:35 原丈人氏 ご登壇
『公益資本主義』とは?
11:35-12:25 基調講演
住友精密工業株式会社 前社長 神永氏
12:25-12:40 本組織についての話、ご案内
12:40-13:30 ランチ休憩
13:30-14:50 パネルディスカッション
 C Channel株式会社 代表取締役社長  森川氏
 サイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野氏
 クックパッド株式会社 創業者取締役 佐野氏
 面白法人カヤック  代表取締役社長 柳澤氏
14:50-15:00 閉会の挨拶
 株式会社ネクスト  代表取締役社長 井上氏


公益資本主義とは

アメリカの会社の多くは、株主と経営者の利益を非常に重視しています。

例えば、アメリカの某航空会社は会社の収支を改善するために従業員の給料を340億円削減し、逆に経営者は200億の役員報酬を受け取るようなことが行われました。

それってどうなん?というのが、公益資本主義を提唱した原丈人さんの考えです。

公益資本主義とは、社中と呼ばれる6つの要素、社員、顧客、地球、仕入先、地域社会、株主、全ての幸福を考えて活動しようよ という考えです。

ただ単に、それはモラルレベルをあげようという話ではなく、全ての社中を大切にしたくなるような社会システムを作っていきましょうということです。

そのために、例えば具体的にはどういうことをするのか?

1つの例としては、会社がどれだけ効率よく利益をあげられているかを測るROEという指標がありますが、それに代わり、もう少し中長期的な視点や社会への貢献度などを踏まえた指標を作ることはできないかということを考えているそうです。

そのような指標ができれば、会社が株価を上げるために短期の利益を追求するようなことをせず、短期的には利益の出ない技術研究などに経営資源を割くことができるようになるのではと考えられています。


また、株を購入しても、すぐ売っちゃうような人には重要案件の議決権を無くしてはどうかとか、株を長期保有するほどに配当金を上げてはどうかということを考えているそうです。

ちょうど、数ヶ月前に読んだ『投資家が「お金」よりも大切にしていること』という本があるのですが、そこで書かれていることに通じるように感じました。



その本の中で紹介されている、「鎌倉投信」や「ひふみ投信」は、会社が短期でどれだけ利益をあげているかを指標に投資しているのではなく、今は利益が出ていなくても将来的に利益が出そうか、また、その会社がどれだけ社会に貢献しているかということなどを見て投資し、そのような会社の株を長期で保有して、結果としてそれが良い投資成績をあげているそうです。








公益資本主義については、原丈人さんの著書にさらに詳しく書いているそうなので、後ほど購入して読んでみようと思います。








パネルディスカッション

パネルディスカッションは、Lineの元社長さんや、クックパッドの創業者さんという、そうそうたる顔ぶれでした。

それぞれの方々が会社で実践されている公益資本主義的な事柄を述べたり、中長期で今後どういったことをしていきたいかという話が聞けました。

経営者の方々が、考えてる事、悩んでる事、失敗した事等々を聞けたことで、会社を経営するということが身近に感じられ、自分にもできるかもというポジティブな気分になれたのが良かったです。


お金は無い方が良い

1つ印象的だった話を上げると、クックパッドの初期の頃、お金がなくて良かったというエピソードがあります。

経営者は、やること決めるよりもやら無い事を決める事が難しい。
お金が無いことは、やらないことを決めやすくさせてくれる。
お金があると、なんでもできそうな気になり、やらないことを決めるのが難しくなる。

ということだそうです。お金がないことのメリットをそのように考えたことは無かったので非常に新鮮でした。

もう1つ。今の日本で餓死する事は、ほぼ無いので、好きなことをやればいいという話も印象的でした。

会社辞めると食っていけるのか、やっぱり不安なので。

けど、たしかに餓死したって話は極度に孤独な人か親が子供を虐待した場合ぐらいなので、ごく一般の成人が餓死することはほぼ無いですね。


参加してみて

今回参加したのは、社会に対する奉仕意識だとか、情熱的なものだとかが自分の中に不足していることを感じていたからです。世の中で社会に役立つことをして、大きく活躍する人の話を聞いたら、そういう情熱的な奉仕意識を自分の中に取り込めるかなぁと思ったのです。

私は、どちらかというと、お金持ちになりたいとか、有名になりたいとか、下心満載の人間なので、なかなか純粋な奉仕意識が持てないんですね。

下心満載なんですが、僕の中では社会に奉仕したり、情熱的に行動したほうが最終的には幸せに死ねるだろうなという思いがあるので、どうやって下心とバランスをとろうかなと思っています。

今回、経営者の方々の目指す未来の話を聞き、非常に共感できるところが多かったです。あぁ、僕もそんな未来を語れたらかっこいいな、そんなんになりたいな、って思うことで、以前よりちょっとだけ下心を引っ込めることができるようになった気がします。

1週間ぐらい前に友人から急にお誘いを頂いた会ですが、参加して良かったです。

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